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外来の窓口負担に細かな加算も チェック必要(産経新聞)

 ■診療報酬22年度改定 外来の再診料690円に統一

 平成22年度の診療報酬改定では、病院勤務医の負担軽減のため入院診療に財源の大半を投入する一方、身近な外来診療への配分は限定的なものとなった。外来を担う診療所の開業医からは不満の声も漏れるが、限られた財源の中でサービス向上や診療科間の格差是正の取り組みも始まる。(佐藤好美、桑原雄尚)

 ◆若干の負担低減

 4月から外来の診療報酬で大きく変わるのが再診料に関する項目だ。

 2回目以降に診察を受けた際にかかる再診料は現在、診療所(ベッド数19床以下)が710円なのに対し、中小病院(20〜199床)が600円で110円の差がある。これまで「診療所は外来、病院は入院」との役割分担を明確にするため、再診料は診療所に手厚くされてきた。

 だが、「同じサービスなのに料金が違うのはおかしい」と格差是正を求める声が高まり、中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関、中医協)は今回の診療報酬改定で690円に統一することを決めた。中小病院の再診料は勤務医の負担軽減も狙って90円アップとなるが、報酬高が指摘された診療所は20円の引き下げとなる。大病院(200床以上)の再診料(外来診療料)は700円のまま変更はない。

 中医協では、診療所を代表する京都府医師会副会長の安達秀樹委員が「再診料の引き下げで個人診療所の経営体力が著しく劣化し、医療崩壊が個人診療所に拡大する。許容することはできない」と抗議の退席をする場面もあった。開業医中心の日本医師会も「理解も納得もできない」と反発しているが、患者側からみれば診療所の再診料の引き下げは若干ながら窓口負担の軽減になる。

 ◆24時間電話相談

 ただ、新たなサービスを始める診療所では値上げとなるケースもある。

 救急病院に患者が集中しないよう、かかりつけの診療所が夜間や休日の休診時間にも24時間態勢で電話相談に応じるサービスを実施すると、その診療所のすべての再診料に30円(地域医療貢献加算)がプラスされる。また、注射や投薬など医療費の詳しい内訳が分かる明細書を発行する場合も再診料に10円が加算(明細書発行体制等加算)される。2つの加算を合計すると40円になり、サービスを充実させた診療所で受診すると、再診料の引き下げ分と差し引きで20円の値上げとなる。

 さらに、再診時に5分程度費やさないと算定できなかった「外来管理加算」(520円)は5分の時間要件が廃止され、短時間でも丁寧な説明を行った場合は患者に請求できることになった。ただ、薬を受け取る目的で簡単な症状を確認するだけの「お薬受診」では加算が認められなくなる。

 患者にとっては新サービスも含め、再診料の加算が間違って請求されていないか窓口の支払い時にチェックした方がよさそうだ。

 ◆訪問看護の連携強化

 在宅療養を進めるため、訪問看護の診療報酬が上がり、条件緩和も進む。末期の在宅がん患者などにかかわれる訪問看護ステーションは従来、2カ所までだったが、4月からは3カ所まで可能になる。医師の特別指示書があり、週4日以上の訪問看護が必要な場合も2カ所のステーションが組んでかかわれる。

 背景には、訪問看護ステーションがどこも小規模で人手が足りず、必要があっても訪問しきれなかったことがある。訪問看護師の草分けで、在宅看護研究センターの村松静子(せいこ)代表は「患者さんの最後の場面での何日間か頻繁にサービスを入れたくても、小さなステーションでは手が足りない。本当に必要とする人に、必要なだけの看護は提供できていなかった。今後はステーション同士が組んで患者さん宅に入れる」と歓迎する。

 また、6歳未満の乳幼児に対する訪問看護の加算が新設されたほか、複数の訪問看護師が一緒に入る際の加算もついた。

 しかし、課題は残る。村松代表は「訪問看護が夜間も含め1日に複数回入れば、患者家族の交通費負担も大きい。定額報酬でいいから最後だけでも5〜6時間滞在できれば、病院に運ばずに看取(みと)ることができる。訪問看護の本来の存在意義が出る」と早くも次の改定に期待をつないだ。

                   ◇

 ■項目ごとにメリハリ

 再診料見直しや訪問看護充実など、今回の改定は限られた財源の中、項目ごとにメリハリが付けられていることが特徴だ。これ以外にも政権交代で今まであまり注目されてこなかった分野にもスポットライトが当たった。

 「与党、政府との政策協議では思い切ったことを話し、理屈が通じ合った」とは日本歯科医師会(日歯)の大久保満男会長。歯科の診療報酬はプラス2・09%(600億円)の大幅引き上げとなり、歯科の初診料は1820円から2180円の大幅増となった。再診料も400円から420円にアップする。背景には、自民党支持だった日歯が政権交代後に民主党との関係強化に動いていることがあるといわれている。

 また、昨年11月に行われた政府の行政刷新会議の事業仕分けで指摘された「眼科や耳鼻科など収入が高い診療科の報酬見直し」や「同じ成分・効果で価格が安い後発医薬品が出回っている先発医薬品の値下げ」についても今回の改定に反映された。

 例えば、眼科の視力検査(740円→690円)や眼圧測定(850円→820円)、耳鼻科の標準的な聴力検査(4000円→3500円)などが値下げに。後発薬のある先発薬(長期収載品)の価格は後発薬普及のため、一律2・2%の追加引き下げとなる。後発薬については、より多く使用した薬局に対して調剤報酬の加算が設けられる。そうした薬局で薬を買えば新たな負担も生じるが、薬剤費自体は大幅に下がるので全体では患者負担は減る見通しだ。

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